日本実験動物技術者協会 関西支部

Japanese Association for Experimental Animal Technologists Kansai-Branch
 日本側「中国実験動物学会貢献賞」受賞者資料 


○藤原公策(ふじわら・こうさく)
〔経歴〕
   1927年 シンガポール生れ
   1950年 東京大学農学部卒業
   1962年 東京大学助教授(伝染病研究所)
   1971年 東京大学教授(農学部/医科学研究所)
   1985年 日本農学賞受賞
   1988年 東京大学退官/日本大学教授(生物資源学部)
   1990年 中国協和医科大学名誉教授
   2005年 逝去(享年77歳)
〔学術業績〕
● Mouse in Biomedical Research. Academic Press(U.S.A). 1980.
● 実験動物感染病学.ソフトサイエンス社(東京).1985.
● 伴侶動物の臨床病理組織学アトラス.六會獣医第二病理の会(鎌倉).1998.
  その他関連著書,原著論文,総説等多数.
〔功績〕
 東大農学部在学中から感染病理学を専攻し,伝研時代には実験動物感染病理と微生物モニタリングについて多彩な研究を展開し,若くしてその業績は欧米に知られ,その後に東大農学部教授を兼務して毒性病理学分野でも多くの業績を挙げた日本の代表的な実験動物研究者である.
 すでに1970年代には中国医学科学院の盧耀増教授等と研究協力関係にあり,1992年発足の「中国実験動物人材養成センター」の日本側国内委員長候補として本事業の準備を進め,在中国日本チームリーダーの人選等にも関わったが,事情があって委員長を辞退した。しかし,実質的な国内委員長として活躍され,同事業の7教育課程のうちの病理学と微生物学の2教科の実施責任者となった.また,秦川教授をはじめとする多くの中国実験動物研究者の日本留学の身元を引受けて指導された。
 東大退官後も頻繁に中国を訪問し,実験動物学ならびに毒性病理学の講義を続け,亡くなる直前まで多くの中国人関係者と学術的な交流があった.