強制換気型飼育装置のケージ交換方法の検討

片山雅文1)、松田宏美2)、上野慎一2)、綾戸量2)、木村登2)、廣畑剛2)、岡本明1)鍵山壮一朗1)、田島優1)、黒澤努1)

大阪大学医学部附属動物実験施設1)、株式会社アスク2)

【目的】
 大阪大学医学部附属動物実験施設では、ケージ間の感染を防止する機能を持つ、強制換気型飼育装置を導入した。しかし、この装置を用いても、ケージ交換中には感染を拡大する可能性がある。特にワークベンチを用いずにケージ交換を行うと感染防止は図れないとされている。にもかかわらず、本装置の機能を良く理解できない利用者の中にはワークベンチを使用しない者もいることが明らかになった。そのため感染を拡大させないワークベンチを用いたケージ交換方法を普及させる必要があった。今回、ケージ交換をマニュアル化し、そのビデオを作成したので報告する。

【使用器材】
 使用した飼育装置はマイクロベントケージ、マイクロベントラック(ACE社製)でケージ交換にはワークベンチ(ACE社製)を使用した。飼料は、少量ずつ使用可能なように小袋包装してある放射線滅菌飼料CRF−1 30kGy(オリエンタル酵母社製)を使用した。

【ケージ交換方法】 
 実験飼育室は汚染区域と考え、ケージのフィルタートップを外す操作を伴う作業は、すべてワークベンチ内で行うこととした。ケージ交換は、ワークベンチに1ケージ分ずつ器材を搬入して行った。手袋の清浄を保ち、手袋を介した感染事故を防ぐため、使用済みケージの内部に触れる場合は、毎回新しいペーパータオルを使用し、動物の取りだしにはクリーンナップで消毒したピンセットを使用した。1ケージ交換するたびにワークベンチ内を70%エタノールで消毒した。1ケージの交換には約3分を要し、300ケージ収容している飼育室全体のケージ交換時間は15時間と試算された。

【まとめ】 
 正しいワークベンチを用いたケージ交換は、作業手順が複雑なため、操作をマニュアル化し、ビデオを作成した。しかし、ケージ交換作業の行程が多いため習熟には多少の時間が必要であった。300ケージのケージ交換時間は15時間が必要と試算された。しかし、強制換気型飼育装置ではケージ交換は2週間に一度で良いとされているので1日当りの平均ケージ交換時間を約2時間として週4日間行うこととなる。すなわち、習熟した者が行うケージ交換作業は極めて妥当な時間内に終了したものと考えられた。